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屋敷内で戦う民達、タケルは確実に命を狙われている存在、火の矢はタケルに向けて飛んできた。
火の矢を見事刀で弾くタケル。
そして母の身を案じたタケルは火の矢や襲いかかる民を掻い潜りながら母の元へ向かった。
「母上~~!!」
屋敷は既に火の海と化していた。
タケルはそこで母の姿を見た。
母の体は真っ黒となり、無数の矢が周辺に突き刺さっていた。
タケルは母の姿を見て感じたのは怒りでも悲しみでもなく、失望でもなかった。
タケルの心に襲いかかって来るのは死の恐怖だった。
(嫌だ…嫌だ!俺もこんな姿になって死んでしまうのか!?そんなの絶対に嫌だ!!)
タケルは母上の骸(むくろ)から逃げるように半泣きになって走った。
「いたぞ!殺せ!!」
タケルの姿を見た民はタケルに襲いかかった。
火事場の馬鹿力で民を斬りつけひたすら逃げるタケル。
タケルは馬に乗り、火の海となったオウスを遠ざかった。
「逃がすか!!」
民達もタケルを逃がさんと馬に乗ってタケルを追った。
真っ暗で深い森の中、馬を走らせるタケル。タケルは時々後ろを振り向いた。
その時、大きな木の枝がタケルの体に直撃し、タケルはそれに弾き飛ばされた。
そしてタケルの乗っていた馬はそのまま遠くに走り去ってしまった。
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