暗闇

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
暗闇の中で 誰かが左手を掴んだ 引っ張られる手 やっと出られるんだ この闇の世界から そう思った しかし一向に光は見えてこない 暗闇の中を漂い続ける私と手の持ち主 闇の中では自分の声だけが響く そして暫くしてあることに気がついた この手の持ち主もまた、暗闇の住人なのだ 光が見えてないのはお互い様か では何故私の手を離さない? 道連れにする気なのか? 不安に駆られた私は自ら手を離した すると手の持ち主が手を離さなかった理由が分かった 左手が再び闇に飲まれた 知らず知らずの中に僅かに燈っていた感情と共に
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!