2人が本棚に入れています
本棚に追加
暗闇の中で
誰かが左手を掴んだ
引っ張られる手
やっと出られるんだ
この闇の世界から
そう思った
しかし一向に光は見えてこない
暗闇の中を漂い続ける私と手の持ち主
闇の中では自分の声だけが響く
そして暫くしてあることに気がついた
この手の持ち主もまた、暗闇の住人なのだ
光が見えてないのはお互い様か
では何故私の手を離さない?
道連れにする気なのか?
不安に駆られた私は自ら手を離した
すると手の持ち主が手を離さなかった理由が分かった
左手が再び闇に飲まれた
知らず知らずの中に僅かに燈っていた感情と共に
最初のコメントを投稿しよう!