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「髪ボサボサと伸びすぎ!で何その眼鏡!
服もダサいのばっかり!
それに、眉毛くらい整えなよ!」
「ぅ…」
「暗いっぽい!おたくっぽい!
んもぅ、自分で恥ずかしくないの?!」
連続される激しいボディブローのような言葉の刃。
あっという間にKOされちゃったよ……兄ちゃん、もう、起き上がれないよ……
「あれ?お兄、初給料でたの?」
急に机の上においてあった給料明細を断りもなく捲り、陽気に言う亜梨沙。
えぇ、もう好きなようにしてください…
「へ~…4万5千円ねぇ…
じゃ、お兄おやすみ~!」
言いたい事ばかり言って、何の用だかわからないまま去っていってしまった。
が、ボソッと呟かれた僕の初給料の金額に、KOされた体がブルりと震える。
……何故だか嫌な予感しかしない。
けど、亜梨沙の我が儘は殆んど飲んできたりしたけれども。
人が働いて得たお金を要求するような、そんな類の我が儘を言う子ではない。…………はず。
……………と、思いたい…。
僕はズキズキと痛む心と果てしない嫌な予感を抱いたまま…眠れないと思ってたのは嘘の様に、疲れ果てていたのかそのまま眠りに落ちていった。
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