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最後だよ!と連れていかれたのは、どうやら美容室……らしい。
担当です、と言う人と亜梨沙が打ち合わせをしている。……けど…
僕の髪なんでしょ?
なんで亜梨沙と打ち合わせしてるの?
……いや、もう何もツっこまないでおくよ…
人生初の美容室は、目隠しプレイのようだった。
何されているのか、結局担当さんの顔もわからないまま……
けれども何故か馴れ馴れしい感じに話し掛けてくれる担当さんは口と同時に手も動いていて。
顔もわからないが、ちょっと尊敬した。
「こんな感じで…」
…と、この沈黙は何だ?
「あ、見えないんですよね。じゃあ鏡しても見れないか」
どうやら出来上がった髪を見せようとしてくれていたらしい。
「スミマセン」
「あ、いえいえ。
あっ妹さん!こんな感じでどうでしょうか」
カランカランとドアの開閉の音の後に亜梨沙に気付いたって事は……亜梨沙、僕が施術されてる間何処に行ってたんだ?
「わぁ…!凄い!」
えっ、何が!
「大満足です!あ、眉毛もお願いします~」
眉毛?!
眉毛なんて生まれてこの方抜いたりしたことなんて…
「失礼します」
「えっ、いや…」
―――やっ、やだっ!!
……嫌だと思っても抵抗出来ずに。
さわさわと眉毛に何かされて……
何か…?
いっ、
「いっだーーーーーっ!!」
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