program3

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. 「泣くような事じゃないよ。 プレゼントは次の給料まで楽しみに取っておくから。ありがとうね。」 「母さん…」 「それより、自分の息子がこんなに格好良い事を新発見できて、凄く得した気分よ~。 亜梨沙に感謝だわ~!」 「………か、母さん…」 母さんの楽観的な性格に救われた気がした。 …ミーハーな一面には少し引いたけど。 キャッキャとうるさい母さんの言葉を半分以上聞き流しながら早めの夕飯を食べ、バイトに向うために玄関へ向かった。 …今まで使っていた靴がないかわりに、ゴツいスニーカー?やゴツい革のスニーカー?とか…見たことない靴が幾つか並んでいて、絶句した。 「お兄…」 渋々ゴツいスニーカー?みたいなやつを履いていると、亜梨沙が叱られた仔犬のような声で僕を呼んだ。 「どうしたの?」 「………めんなさぃ… ごめんなさい…、お給料勝手に使っちゃって」 そんな事もう怒ってないのに。てか初めから怒ってなんかいない。 「亜梨沙は、僕の為を思ってくれたんでしょ?」 亜梨沙は小さく頷く。 「なら、謝らなくても大丈夫だよ。ありがとう。」 僕がそう言うと、俯いていた顔をあげ、パァと花が咲いたような笑顔になった。 「えへへ! お兄、格好良くなったよ! バイト行ってらっしゃい!」 亜梨沙はやはり、言いたい事を言うとパタパタと自分の部屋へと戻っていった。 ………。 『お兄格好良くなったよ』 …自分が自分じゃなくなって、初めて嬉しいと思えたかもしれない。 『シスコン』って言わないでね。 .
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