program3

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. 正直言うと。 コンタクトに慣れてない目が気になるのと、眉間にある前髪の束とその色と、服の紫とゆとりのあるジーンズが視界に入るとソワソワするけど… 常に鏡を見ている訳じゃないから、いつもと違う自分にあまり実感がない。 たまに鏡やガラスに自分が映るとドキィッとするけど。 そんな感じでバイト先に到着し、控え室に入ると、そこに居た店長に不審がられた。 その後は散々だった。 『僕』だと信じてもらえたのは良いが、色々根掘り葉掘り聞かれた。 妹が…と亜梨沙のせいにはしたくなかったので、何か適当に言おうとしたけど…理由が全く思いつかない。 苦笑いで「すみません」と言うのが精一杯だった。 驚いた事に、バイト中に今まで話した事なかった店員さんに話しかけられたりもした。 「何で急にイメチェン?」 大学生…らしきその男の人にも、 「何でですかね…すみません」 そう返すのでいっぱいいっぱいだった。 いつもより疲れたバイトを終え、重くなった体を引きずり帰宅する。 …明後日月曜日、学校行った時に聞かれるであろうイメチェンの理由を、明日のうちに考えておかないといけないな。 ………学校行きたくないよー…! 登校拒否を考えながら、深い眠りへと落ちていった。 .
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