1950人が本棚に入れています
本棚に追加
.
「か、ずぅー……僕だよう」
「え、ゆっ悠介?!なにその上半身!」
半泣き状態で和に訴えると、そのかいあってか和は気付いてくれた。
…けど『上半身』という言い方が和らしくて笑えてきた。
「上半身、変わっちゃった。」
「変わっちゃった…って…変わりすぎだぞ…」
電車の中で、金曜日からの経緯を和に全て話した。
和にだけは、全部話しておきたいと思ってたんだ。
「…亜梨沙が悪く言われたりしたら嫌だから、この話は内緒にしててね」
「いや、勿論言わないよ。
……それにしても…別人だなぁ。」
前から後ろから、和はまじまじと僕を観察する。
「カラコンなんだ?凄いな、外人みたい。」
「眼鏡、返してくれたんだけど、朝になるとまた取り上げられてた。」
「あはは、亜梨沙ちゃん必死だね。」
和のおかげで、笑いながら学校に到着できた。
憂鬱なのは変わらないけれど、和が居なかったら笑う余裕さえなかったと思う。
.
最初のコメントを投稿しよう!