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. 「わ、マジで檜山?うける」 身を屈めてあはっと笑う斎藤君。 あれ、いきなり呼び捨てなんだ…ていうか、何で僕うけられたんだろう? 「面白い…?」 「は?いやいや、別に面白かないけど。 マジ変わるもんなんやねーと思ってさ。」 面白いわけじゃないけど、うける。って…何だか日本語って難しい。 「早く教室いくべ」 「え、待っててくれたの?」 「おー。 だって、激変した檜山を早く見たかったから~♪ 教室じゃお前の話でもちきりだべ」 …えぇっ!?僕の話で? なんで…… 足が動かなくなった。 僕は注目なんかされたくないんだ。 それなのに… 「どしたー?顔真っ青」 立ち尽くして動かない僕を無邪気に覗き込む斎藤君。 「…いや、ごめん…なんでもないよ…」 これ以上、親しくもない斎藤君に迷惑かけちゃいけないと、重い足を動かした。 正直、教室に行きたくない。 帰りたい。 髪を戻したい。 以前の僕に戻りたい…。 けど、そんな事は無理だという事は解ってる。 だから僕は今、教室に向かうしか道は残されていない。 .
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