program4

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.   ドサッ 帰宅するなり、ベッドに倒れ込んだ。 ギシとスプリングが軋み、僕の体はベッドに溶け込むように沈み込む。 今日は、今まで話した事ない人に沢山話し掛けられた。 それはくすぐったくもあり、酷く疲れるものだった。 クラスメイトはチラチラワイワイ一日中騒ぐし、物珍しいものを見るかのような好奇の目に晒され続けた。 …まるで猿回しの猿になった気分だった。 こんな毎日続くかと思うと…かなり参るなぁ…。 悪夢のようだ。 けれど、僕は『僕』だ。 だから直ぐほとぼりは冷めるだろう。 『僕』はそんな、面白みのある人間じゃないから。 皆直ぐ飽きるに決まってる。 それまでの我慢。 我慢だ……。 身体がベッドに溶けていく。 瞼が重く、目が開けられない。 指がピクリと動いたのは鮮明に感じるが、意識は手放される寸前だ。 ふいに高橋さんの笑った顔が浮かんだと思ったら、僕はユックリとそのまま微睡んでいった。 .
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