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必死に『恥ずかしい』の言い合いをしていると、僕達の少し後ろからクスクスと笑い声が聞こえてきた。
はた、と和と見合い、そっと後ろを振り向くと…そこには。
―――……高橋さんっ…
決して目立つグループではないが、大人しいけれど可愛い顔をしている(要するにただ僕のタイプ)高橋さんが、お友達と笑っている。
僕も和も言葉が見つからず冷や汗だけがジワリと伝う中、高橋さんはフワリとした笑顔を僕に向け
「一人ででも二人ででも、床屋でも。どれでも全然良いと思うよ?」
プックリとした唇で柔らかくそう発した。
かと思うと、固まってる僕達を抜いて笑いながら行ってしまった。
…暫くの間固まっていたけれど。
「どれでも全然良いって…」
どちらともなく二人でそう呟き、駅へと再び歩き出す。
その頭は俯いていたけど、頬の筋肉は弛み、ニタニタとだらしのない笑顔を作っていた事は和も一緒な筈だ。
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