第一章

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「すばるー!行ってくるよー!!」 私は右手でドアを押し、左手で踵(かかと)を靴に押し込みながら部屋の中に居る同居人に言った。 「待った待った待った!!鈴っ、これ忘れてる!」 昴は私が出て行く寸での所で呼び止めると、お弁当を片手に駆け寄ってきた。 頭には寝癖、口元には朝食のジャムをつけて。一見したら母性本能くすぐられる感じだけど……、6年も一緒に居たらさすがに見慣れる。  
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