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「ありがとう」
「気を付けてな」
「はーい。じゃっ!」
私はお弁当を片手にエレベーターへ向かう。ドアが閉まる音はまだ聞こえない。きっと昴が私の背中を見送っているのだろう。
昴とは遠い親戚とかなんとか……。詳しいことはよく分からないが、私が10歳の時、預けられていた施設に昴はやって来た。
『鈴、迎えに来たよ』
その時昴は18歳。高校を出たばかりの若者が保護者?…有り得ない。と、今では思う。
だけど生活は何不自由無かったし、今じゃ私は高校生。昴は立派に親をやってくれている。
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