第一章

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エレベーターを降りて学校へ向かう。 季節は春。 響きは暖かいが実際にはまだ肌寒く、私は身震いをした。 「おせーよ」 こんな口のきき方しか出来ないのは幼馴染みの疾風(はやて)。その名の通り喧嘩っ早くて学年の問題児だ。 「ごめん、ごめん」 私は手をヒラヒラさせて適当に謝る。 「反省の色なしっ!」 疾風の足が私のお尻を蹴ろうとしたが空を切った。蹴ろうとするのは分かっていたから避けるのは楽勝。 「うわっ!ダッサー」 と疾風をおちょくりながら走った。後ろから目を吊り上げた男が追いかけてくる。 端から見たら不良に終われてる少女。 けれど部活で鍛えあげられた私の走りは少女とはかけ離れた物だった。  
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