第一章

5/8

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
「まぁーたやってるよ、あの二人」 私と疾風は結局、追いかけっこしながら学校まで来てしまった。 朝練よりもハードな朝。互いに肩で息をしていた。 「おーい!」 声のする方を見ると教室から弥依子(やえこ:通称、やっちゃん)が手を振っていた。 「おはよー!!」 膝についていた手をやっちゃんに向かって振り返す。 そのやっちゃんの後ろにはもう一つの影。颯真(そうま)だ。 「よおっ!お前等、早く上がってこいよ」 颯ちゃんはやっちゃんに覆い被さる様にして窓から声をかけた。 やっちゃんの顔が赤く染まる。颯ちゃんは気付いてないけど、やっちゃんは颯ちゃんが好き。 それを知っている私は「うん!」と言いつつ、教室へはゆっくり向かおうと決めていた。  
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加