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「まぁーたやってるよ、あの二人」
私と疾風は結局、追いかけっこしながら学校まで来てしまった。
朝練よりもハードな朝。互いに肩で息をしていた。
「おーい!」
声のする方を見ると教室から弥依子(やえこ:通称、やっちゃん)が手を振っていた。
「おはよー!!」
膝についていた手をやっちゃんに向かって振り返す。
そのやっちゃんの後ろにはもう一つの影。颯真(そうま)だ。
「よおっ!お前等、早く上がってこいよ」
颯ちゃんはやっちゃんに覆い被さる様にして窓から声をかけた。
やっちゃんの顔が赤く染まる。颯ちゃんは気付いてないけど、やっちゃんは颯ちゃんが好き。
それを知っている私は「うん!」と言いつつ、教室へはゆっくり向かおうと決めていた。
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