第一章

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疾風と教室に着く頃には校庭でのやり取りから20分くらい経っていた。 「鈴、おはよ!」 「おはよ、やっちゃん」 やっちゃんの顔はまだ赤く染まっている。私はやっちゃんの額にわざと手を置いた。 「熱でもあるんですか?」 「もうっ!!」 「あははっ!」 やっちゃんは照れながらも私の耳元で小さく「ありがと」と囁き、自分の席へ戻った。 「オメー等、朝から女同士、キモッ!」 「うっさいよ!」 私は疾風の胸をバシッと叩いた。少し強すぎたのか、疾風が咳き込む。 「鈴…、てめぇ……ゴホッ」 「お前らってホント仲良いな」 「はぁ?颯ちゃん、目悪いんじゃない」 私達のこんなやり取りもいつものこと。こうして学校生活を始めるのだ。  
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