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疾風と教室に着く頃には校庭でのやり取りから20分くらい経っていた。
「鈴、おはよ!」
「おはよ、やっちゃん」
やっちゃんの顔はまだ赤く染まっている。私はやっちゃんの額にわざと手を置いた。
「熱でもあるんですか?」
「もうっ!!」
「あははっ!」
やっちゃんは照れながらも私の耳元で小さく「ありがと」と囁き、自分の席へ戻った。
「オメー等、朝から女同士、キモッ!」
「うっさいよ!」
私は疾風の胸をバシッと叩いた。少し強すぎたのか、疾風が咳き込む。
「鈴…、てめぇ……ゴホッ」
「お前らってホント仲良いな」
「はぁ?颯ちゃん、目悪いんじゃない」
私達のこんなやり取りもいつものこと。こうして学校生活を始めるのだ。
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