第3章

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…そこには、様々なものがあった… 例えば必死に四つん這いになり、泣き叫びながらも逃げようとするもの… 例えば片足や片腕を失い、その痛みでもがき苦しむもの達… 例えば壁一面を染め上げる朱いもの… 恐らく前者の血潮だろう… 例えば広間の隅の方で何かを租借している音とその元凶である大きなモノ… あとは…ただただ… 肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉…………………………… 「な…んだ、これは…」 「うっ…」 「ぁ…ぁぁぁぁ…」 「………………………」 ダルはこの異様な光景を目にし、ただただ呆然としていた。 シルフィはその光景から絶望したように立ち尽くしていた。 クリスは眼前を睨みながら黙り込んでいる… 俺はそれを目にしたとき、その異様さから吐き気を催した… そして、奥にいたモノはそこいら一帯にある肉を租借していた。 「なぁ…アイツが喰っているのはもしかして…」 「あ、あぁ…恐らく人の…」 「………っ!!!!」 その瞬間、ダルはアイツに切りかかっていた… 「あっ…!おい、待てっ…!!」 「…ぉぉおおおぉ…っ!!」
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