第一章

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「カ・・・・イ・・・・カイ・・・起きなさい。」 俺は目をこすり、眠そうに目を開ける。 「う~ん、あれ遺跡は?」 「何寝ぼけてるの。まったく。」 俺の目の前には、見慣れた顔があった。 「なんだルナか。」 気の強そうな彼女は、ルナール・フェルベール。年は17歳。フェルベール家の娘でかなりのお嬢様で俺の幼なじみだ。 ※フェルベール家:タナフカ島での、空港、造船所など空浮船に関する仕事の中心となる家系。 「なんだはないでしょ、早く仕事行くわよ。」 ルナは膨れっ面になる。 「はいよ。」 渋々、俺は支度をした。支度が終わると、俺らは仕事場へ向かった。俺らの仕事場は、空浮船の造船所。俺らはそこで仕事をしている。 ☆★☆★☆★☆★ 「おはよー、ハギス親方。」 俺は、大きな背中に向かって手を振った。 ごっつい体つきでタオルを頭に巻いているこの人は、ハギス・レライア。 彼はこの造船所の2番ドックの責任者で、かれこれ20年は、ここで働いている38歳。 ちなみに、造船所には、5番ドックまである。 親方が呆れ顔でこちらをこちらを振り向く。 「何がおはよーだ。お前はまたルナールさんに起こしてもらったな。」 ルナが会話に割り込んだ。 「ハギス親方、いつも言ってるけど、さん付けで呼ぶのはやめてくれない?」 そして、いつもの膨れ顔になる。 「そんな、フェルベール家のお嬢を呼び捨てできるわけねーよ。」 困った表情になる親方。いつもこの話で俺が起こしてもらってることはあやふやになり、助かっている。そして、俺も話に入り、俺の事はなかったことになる。 「僕は、ルナが呼び捨てでいいって言うならそれでいいと思うけどな~。」 「カイの言う通りよ。」 ルナはいつもこう言うが、助けてくれているのか、気づいていないのかはわからない。 「無理なものは無理だ。さあ、仕事を始めるぞ。」 親方は、仕事の準備をして話をそらした。 「あ~っ、また話そらした~。」 ルナはしぶしぶ準備した。 仕事で俺は、いつもルナの補佐をしていた。しかし、補佐以外にも仕事を任されるときもある。 ルナは、故障した空浮船の修理を朝飯前に終わらせてしまった。この手際のうまさを見せつけられ、俺はいつも自分はまだまだだと思わされる。 今日の仕事は、午後4時頃に終わった。
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