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「よぅ…久しぶりだな」
『う、うん』
現れたのは元親、何だか気まずい雰囲気が流れたがぎこちなく話始める二人
『あのさ、また隣に住む事になったんだ』
「…」
『その…だからさ、ね?また仲良く…』
「出来ねぇよ」
『!』
私に容赦なく冷然とした言葉の刃が刺さる。一瞬何を言われたか理解出来なくて、私の脳が理解してくれなくて、時が止まった様に思えた
そんな私にお構い無しと言わんばかりにかばんを持ち扉に向かえば吐き捨てる様に元親はこう言った
「昔みたいにお前と笑い合ったりするなんて不可能に近ぇよ
それじゃあな、"白河"」
残された私は突き飛ばされた優しさに泣きそうになりながらただただその閉められた扉を見つめるしかできなかった
***
本当に俺はバカだ
ただ一言「おかえり」も言えねぇのかよ
初めて廊下で会った時、見違えるくらいべっぴんに育った幼馴染みに少なからず動揺した
昔から人当たりがよく、誰にでも好かれるアイツはあの教室で会っても同じ
それを見ていた俺は一瞬にしてアイツに会えた歓喜をひねり潰した、何故か?
だってアイツはあんなに平然としてんのに俺ばっか待っていたみたいで、俺ばっか嬉しくて死にそうなのってフェアじゃねェよ、そう考えると腹が立つ
で、結局当たっちまったっつーワケだ
「くそ、何でこんなムシャクシャすんだよ…」
でもこれで良い、これでいいんだよ。………いいんだよな?俺
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