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『お待たせ~』
「おせぇっつの」
やっと扉が開き制服に身をまとった桜に待ちくたびれた俺は軽く毒づく、しかし対する向こうはヘラッと笑い『ごめーん』としか言ってきてない‥ふぅ。
『ねね、今何時?私携帯家だしさ』
「あ?今は…8時20分だな」
『……』
「……」
『……はじまる時間は何時…?』
「確か8時30分」
『へぇ、10分後かぁ……ん?10分っ!?あとそれだけしかないのっ!?』
「あぁ?んな焦んなくたっていいだろ、まだ9時にもなってねぇじゃん」
『不良さんの感覚でもの申さないでくださーいっ!!と・に・か・く』
「とにかく?」
『走るっ!!』
そう言い出した桜は早々と階段を降りていく。…つか家に携帯忘れてるのもう頭にねぇだろ
って速くねぇか!?やべやべおいてかれる!!
「おーい、お前携帯家なんだろ?」
『うわぁぁぁあっ!!忘れてたっ!!』
そう玄関で騒いで靴を慌てて履けばすぐ隣にある自宅へと駆けていく桜
………騒がしい奴。…つか今から走っても無理だろ
『もう2日目で遅刻とか最っ悪!!』
「おーい、バイクで行きゃ遅刻にならねぇだろ」
携帯を手に握りしめ家から出てきた桜に少し声を張り告げれば即答で返ってくる『やだ!!』の一言で俺の案は一刀両断にされた
『バイクっていうより"タンシャ"って頭の悪い人が乗るヤツじゃんっ!!やだやだ目立つっ!!』
失礼な奴、コイツの中じゃ不良=頭の悪い人になってんのか。
俺技術は三年間オール5だぞ、ナメんな
「誰が頭の悪い人だコラッ!つか遅刻しそうなときに目立つもへったくれもあるかっ!!」
『うひゃあっ!!』
一喝し桜の腕を引っ張りバイクの後ろに乗せれば一気にスピードを出し唸りをあげるバイク
それに耐えきれず俺の腹部に腕を巻き付け必然的に体が密着状態だがやむを得ず風圧に耐えている桜。……お、ラッキー
『うぎゃぁぁあっ!!は、速いからっ!!てかノーヘルノーヘル!ノーヘルメット!!頭が無装備なんだけどーっ!?』
「ノーヘル上等っ!!」
『元親くんの馬鹿ぁぁぁあっ!!!!!』
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