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そう、家が隣だったのに初めて話したのは保育園でのこの事件からだった
「やーい姫若子!」
「お前女っぽいんだよ、こっち来んな!」
「ひっ…姫若子じゃないよ!」
どうして?
どうして、皆姫若子って呼ぶの?馬鹿にするの?仲間はずれにするの?……寂しいよ、1人は寂しいよ
「あっち行こうぜ」
「おうっ!」
「あ…っ待…っ!」
砂浜に向かってしまう同年代の園児達に置いてかれてしまう元親
教室はガラリと静かになってしまった
「……なんだよ、皆のいじわる…」
『いじわる?私も』
「うわぁっ!」
ぽつりと一人言を呟いたつもりが会話になっていたことに驚いた元親はビクッと肩を震わせ、ぺたんっ!と尻を床につけてしまう
『もう、男の子でしょ?ほら』
「あ、ありがとう…」
『どういたしまして!』
手を差し出す少女にためらいながらも手を重ね、立ち上がる元親にニコッと笑いかける少女
『私は白河 桜、きみは?ねぇ、なんてなまえ?』
「え…っ長曽我部、元親…」
「もとちかくんかぁ!」
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