30人が本棚に入れています
本棚に追加
『どこだろ……ん?』
15分くらい探してみたが見つからず途方にくれていたが少し先に登り階段が見え「屋上─立ち入り禁止─」と書かれている
立ち入り禁止って言っても屋上だなんていかにも不良がたまりそうじゃないか
『ふふ、久々に一緒にお昼食べるな♪』
屋上へのドアノブをひねろうとしたとき、人の声がかすかに聞こえた。あれ、元親くん以外にも居るの?
ゆっくりドアノブをひねり屋上に一歩足を踏み入れる、すると
『……っ!?』
ガシャーンッ!
手に持っていた2つのお弁当が重力によって下へと落下しコンクリートに叩きつけられる
その音で私の目にうつってるものが驚き、こちらを見る
そこには卑猥な音と、卑猥な声で埋め尽くされた全裸の女の子と半裸の元親くんが……性行為をしていた
「さ、桜…っ!?」
『あはは‥はは‥ご、ごめんね!!空気読めなくて…すぐに消えるから…っ』
「桜っ!!」
『ごめ…ん‥っ!!』
扉を閉め全速力で走る私
馬鹿だ、本当に馬鹿だよ私。どんなに昔仲良くても空いた空白の時間には逆らえない…それに元親くんに彼女が居たって私にはもう関係ない…関係…っないんだもん…っ!!
なんで涙が止まらないの…っ!?…やだ、止まって…っ泣いちゃ駄目だよ、泣い…ちゃ……っ
「白河さんっ!?」
「なんで泣いて…っ」
クラスの子が走る私に声をかけてくれたが今の私にはそれに対する答えを答えられるほど余裕はない
もうだめ、今日は帰ろう
そう決めた私はただただ、走って走って走り続けた
***
やってしまった
俺の心の中はこの言葉に支配されてしまう
放心状態の俺だったがふと辺りを見回す。女が居ないということは授業に戻ったのだろう
それより桜だ
せっかくまたみぞが埋まりつつあったのに本当に馬鹿だ、俺
けど自業自得っつーのも分かってる。自分が最低なことをして、それが桜を傷つけるという形で…返ってきた
なぁ、俺まだお前に言えてないこと海賊の宝の山ほどあんだよ
帰ってきてありがとう、おかえり
お前が好きっつーこともまだ伝えてねぇんだよ
最初のコメントを投稿しよう!