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「あ、姫若子だっ!」
「ひとつ目野郎!ばぁーかっ!」
「ち…っ違うよ…」
いつもの様にいじめられ、いつもの様に仲間はずれにされ、いつもの様に言い返せない自分がいやで、いやで仕方なかった
だけど今日は違った
『姫若子がなんなのよっ!アンタ達がブッサイクだからって元親くんをいじめないでよね!』
かばうように元親の前に立ちはだかり、ビシッと指を指す桜に指を指されている園児はもちろん、一番驚いているのは元親である
「げ、桜…」
「なんだよ、そんなヤツかばって!」
「さ、桜ちゃん…っ?」
『わたし弱いものいじめが一番きらいなのっ!つ・ま・り
これ以上元親をいじめるならわたしが相手になるんだから!』
大声を張り主張する桜に周囲がなんだなんだと視線をいつの間にか集めていて、さすがに居心地の悪さを感じた園児達はさっさと逃げてしまう
『もうっ』
「桜ちゃん…!」
『ん?なぁに?』
「あ、ありがとう!」
桜の手をぎゅっと握り精一杯の笑顔を向ける元親に少なからず照れを覚えたのかはにかみ笑い返す桜
のちに家が隣同士と判明するのはもうまもなくの事
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