*父の想い*

2/2
前へ
/8ページ
次へ
手術が出来るかどうかもわからないまま 母は病室のベッドの上で バタン バタンと 頭をもたげては 勢いよくベッドに倒れ込むを繰り返していた (父の記録ノート) 母ちゃん苦しいのか…手・足・頭をバタバタしている。 一晩中ヒヤヒヤ 母ちゃん頑張れ! このベッドの傍らに ただ呆然と座る私の隣りに祖母が腰かけた 祖母は母の継母 母が子供の頃はこの祖母から酷く虐められた そんな祖母も 今は痴呆症を患い 人の名前もあやふやになりだした頃だった 祖母が お母さんはずっと具合悪かったの? ポロポロと涙を流し 私に問いかける 私は後に 祖母は母の継母で 私とは血のつながりがないことや 虐められた話しを聞いたが 私には小さな頃から たった1人の祖母に変わりはなく 母が忙しいときには一緒にボードゲームをしてくれたり 一緒に自転車に乗って買い物に行ったりしてくれた 私のばぁちゃん 大好きなばぁちゃんが ポロポロと涙する姿を 私は今でも忘れることが出来ない
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加