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「蔵は身体が弱いだろ。だから寮の事と一緒に入学前に特別許可を取ったんだ。
蔵の付き添いとして俺達の分もな。」
信太がもっとらしく説明する。
まさか俺達専用なんて言えないし、入学早々の長期休暇でクラス全員、蔵の身体の弱さは知っているし、嘘は言っていない。
「それより今朝の自己紹介は何だったんだ?みんな異常なテンションだったぞ。」
「河森寝てたのによく知ってるな。」
「あんなにうるさかったら寝てても気になるぞ。」
お前の場合は声云々って言うか、寝てても周囲の気配は常に探っつて何かあれば真っ先に動くだろ。
なんて、心の中で信太にツッコミ入れてみる。
「それやったら、今ここで説明するよりも教室に行った方が早いわ!」
「教室で何かあるの?」
小首を傾げる倉に柳瀬は
「辻にも悪い話しちゃうし!
でも、どう転んでも俺は辻の味方やから!!」
そう力強く頷いて見せた。
何なんだ、一体。
とにかく、教室に行かないと話してもらえないようなので教室に向かう事にした。
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