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赤星君はさっきまで座っていた椅子を桑名君に差し出して自分は机の上に座った。
桑名君は差し出された椅子を黙って僕側に向け、ちょうど僕の対面に座る。
桑名君は真剣な表情だ。
「単刀直入に言うけど、辻君に俺達1年のアイドルになってほしいんや!」
よく理解出来ない事をお願いされました。
…僕、歌とかそんなに得意じゃないよ?
ダンスとか体力的にキツイと思うしさ。
普通にそう返したら赤星君と桑名君が2人掛かりで説明をしてくれた。
「テレビに出るようなアイドルとちゃうねん!」
「あのね、辻君。
さっきの集会でなんとなくわかったと思うけど、この学園ってちょっと特殊なんだよ。」
「そうそう。各学年にアイドルがおるねん。」
「アイドルと言うかカリスマと言うか…。
各学年にはたいてい、容姿や頭脳やスポーツ・芸術とか何でもいい、人の注目を浴びる人が4、5人は現れるんだよ。」
「で、2年のそうゆう人気のある奴らから家柄とかも考慮に入れての生徒会役員を決めるねん。」
「生活指導・美化委員は3年の、主に頭脳と指導力の優れた数人を幹部として先代がスカウトするんや。」
なんだか、この2人って息ぴったりだよ。
仲良しなのかな?
はっ!まさか付き合ってるとか!!!!
なんて、ちょっと妄想世界に逃避したくなったよ。
要は、2年がメインの生徒会はお飾りで、3年が仕切ってる生活指導・美化委員が学校の実権を握ってるって事だよね。
でも、それと僕とは関係無いんじゃない?
まさか、次期生徒会長になれなんて話しじゃないよね?
……ない…よね?
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