WARM・UP

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次の日… 南北高校に続く道を真陽は走っていた。 「遅刻する!」 夕陽は既に朝練に言っているため、真陽は誰もいない通学路を一人全力疾走していた。 「いかん!非常にマズイ!」 真陽は何かに異様な程脅えていた。 「もう遅刻なんてしたら……殺られる!」 走りながら身震いした真陽は、校門に立っているであろう脅威の元凶の事を考えた… ― ―― ――― 「38秒遅刻だぞ」 息も絶え絶え、校門にぶっ倒れている真陽に非情な宣告が聞こえた。 「ぜぇ…ぜぇ…見逃」 「さんぞ」 倒れた真陽の頭上に仁王立ちして腕組みしているのは、この南北高の生徒会長、北川 詩(きたがわうた)真陽の天敵である。 「何で?!」 「私は貴様の事を思ってだな…」 「貴様っていってんじゃん!絶対オレの事嫌いでしょうが」 「ふっ…」 鼻で笑って目を瞑る詩。 「最近、月斗が構ってくれないし、やっと口を開いてくれたら貴様の名前ばかり…あぁ、このやり場の無い怒り、貴様以外の誰にぶつけろというのか…」 「あぁ…出た、ダークサイドモード…」 詩のダークサイドモードというのは、南北高校の生徒、教諭ならば誰でも知っている。 主に月斗絡みでなる。 ぶつぶつ言っている詩を横目に、真陽は教室へ向かった。
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