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「お~い、生きてっか~」
只今9時51分。
1時限目が終わり、10分間の休み中である。
次の授業が理科室であるので、生徒達は移動教室していた。
そんななか、机に突っ伏している大きな生徒と、それを取り囲む生徒達がいた。
「無理。サボる」
起こしてくれた友人達に対して生徒、真陽は素っ気ない返事を返す。
「もう!真陽くん、さっきの国語も丸々寝てたでしょー!」
「朝から詩さんのダークサイド体験したんだ…気も滅入るぜ」
「真陽くんが遅刻したのが原因でしょー!」
「まぁまぁ、優奈。真陽も疲れてんだよ」
「堀くんは甘いよー!」
高いソプラノボイスで怒鳴っている女生徒の名前は、「本梨 優奈(もとなしゆな)」。
茶髪のポニーテールと、低身長が特徴的。
余りの背の低さに、小学生に間違われる事もしばしば。
そして叫ぶ優奈を優しくたしなめたのは、「堀 光士(ほりこうじ)」。
真陽をよく理解している小学生来の数少ない親友である。
「…どうでも良いが、遅れるぞ」
廊下で壁に寄りかかっていた男子生徒が、皆に忠告した。
「うわっ…十字架、もっと早く言いなよー!」
廊下の生徒は、「神樹 十字架(かみきくろす)」。
考古学者を両親に持ち、十字架という珍しい名前は、両親が見付けた文献の英雄の名前から名付けられたものである。
ちなみに剣道部で、敵無しの強さをもっている。
「分かったよ、直ぐ行く」
起き上がった真陽は、教科書を手に取り、皆に並んで教室を出た。
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