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「あぁ、つまんね」
頬杖をついた真陽が授業に悪態をつく。
「ほう…いくら成績最優秀者とはいえ、聞き捨てならんな」
「十字架…」
そんな真陽を見た十字架が、真陽に言った。
「真陽…悩んでいるみたいだな」
「……お前超能力者か?」
「ただの読心術だ」
「心読む方すか…」
「読唇術もできるぞ」
はいはい、と話を流したかった真陽だったが、十字架の前にそれは出来なかった。
「何を悩んでいるのかは知らんが、自分が後悔しないようにしろよ」
「……」
そこで授業終了のベルが鳴った。
「真陽、十字架。何話してたんだ?」
「何でも無い」
「む~、隠し事は良くないんだよー!」
ギャーギャーとわめきだした優奈とそれをなだめる光士。
そして何も無かった様な表情で優奈を見る十字架。
3人の親友の様子を見た真陽は、心中穏やかになり、感謝した。
『口には出さないけどなっ!』
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