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「おーい、やってるかぁ?」
体育館に隼人がやって来た。
二人一組になって速攻の練習をする、ツーメンと呼ばれるメニューを行っていたバスケ部は、隼人に集合する。
「集合ぉ!」
「「うい!」」
「よるなよるな、暑苦しい」
近い部員達に手で「しっしっ」とする。
もちろん、冗談であるが。
「あー、今日はちょっとしたサプライズがある。なんと新入部員だ」
ざわっ…
「いや、いまさら?」
「もういらないだろ」
「お言葉ですが、先生…こんな時期に新入部員に構う余裕はありません。
そいつには来年入れバカヤロウと言っておいて下さい」
厳しい言葉を述べる月斗に隼人は苦笑。
全て知っている夕陽は、ニヤニヤしていた。
「戦力になんねぇ奴は要らねぇしなぁ…」
力もため息を吐いている。
「そうだ!」「兄貴、どうかしてるぜ!」
同じ顔をした二人が、隼人に言う。
「テメェ等、学校で兄貴だとぉ?」
「いや、ごめんなさい!」「隼人先生!」
この双子の名前は、流石 双弌と双弍(そういち、そうじ)。
流石 隼人の実弟である。
『言いたい放題言いやがって…』
体育館の外で待っている真陽は、震えていた。
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