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ピピピピッ…ピピピピッ…
不愉快な音が聞こえる。
時計のアラームで目を覚ました青年は、ベッドに収まりきらない程の身長だった。
「また、あの日の夢か」
上半身だけを起こして、アラームを止める。
カーテン隙間から射す光りが、青年の部屋を照らす。
「いつまで引きずるものかね…」
ベッドから抜け出すと、カーテンを開けて紐でくくる。
体全体に朝陽を浴びて伸びをした。
「…さて、学校の用意でもしますかね」
そう残して後にした青年の部屋には、額縁に飾られたメダルを首からかけた、笑顔の少年達の写真と賞状が飾られていて。
使い古されているが手入れの行き届いたバスケットボールと、バスケットシューズが部屋の片隅に置かれていた。
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