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―2‐3教室―
「減点10だな」
真陽の前に立つ若い教諭が、静かに真陽に告げた。
「…分かってますよ、それより、何で梨歩に捜させてんだあんた」
「言葉遣い、減点2。お前、梨歩ちゃんじゃないと動こうとしねぇだろが?」
この教諭の名前は流石隼人(さすがはやと)。
真陽の担任で、数学の担当教諭であり、そして南北バスケ部の顧問でもある。
「それとも、月斗に呼ばせるか?」
「とんでもねぇ事言わないでくれ」
本気でうんざりした様な顔を浮かべた真陽は、そのまま自分の席に戻った。
「お前はあの兄妹に弱いからなぁ」
そこで真陽との話に区切りを付けた隼人は、チョークを手に取り黒板に文字を書き始めた。
「あ~、待たせてスマン。教科書の28ページを開いてくれ」
授業を再開した隼人とクラスメイトを尻目に、真陽は机に寝そべった。
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