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「あの人は何を考えてるんだ…」
真陽は自室の机に向かい、頭を抱えていた。
「確かに昔から熱血漢なのは知ってるけど…5人て!」
夕陽の言うには、こういう事だった。
月斗にとって最後の大会である「インターハイ」の地区予選まで、3ヶ月になった。
それに加え、真陽の足の具合を聞いた月斗のテンションは最高値に達した。
その結果は練習に影響し、普段から中々ハードな練習が環をかけてきつくなったという。
耐え切れなくなった部員は、隼人に直談判。
退部届けを叩きつけたらしい。
「ってか、オレの所為かよ!?」
真陽は机を叩きながら頭を上げた。
「5人、ねぇ…」
真陽は恐らく残っているであろう人物達を思い浮かべた。
「ん?5人?まさか、あいつも辞めたのか?」
腕を組んで考える。
「あいつ」が練習がキツいだけで辞める様な奴か?
「まぁ、いいか」
考えるのを辞めた真陽は、立ち上がると部屋を出た。
「夕陽!25分で飯作るからな!」
「分かったよ兄さん!」
風呂場からの夕陽の声を聞いた真陽は、キッチンに立つと、IHヒーターのスイッチを入れた。
「今日はチャーハンでいっか」
フライパンに油を引いて、炊いていたご飯をぶち込んだ。
少し開いた真陽の部屋…
机の上には、真陽の名前が書かれた入部届けが広がっていた。
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