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(さて、どうしたものか)
少年は悩んでいた。
「転校早々目立ってるのはお前?」
「だーかーらー…。そんな事知りません」
転校早々、不良に絡まれているのだから。
茶髪に赤が混ざった茶色の瞳で黒縁眼鏡。
何か冴えない感じの少年。
瀬野 來(ライ)。
だが、実際は女である。
「生意気な口を利くのは、この口かな?」
「ッ」
顎を掴まれ、無理矢理目を合わす形になる。
目の前に居るのは、学内一の不良、坂本 礼。
赤髪で、肩まで伸ばしている。
右耳だけピアスが3つも開いている。
多分、普通にしていればイケメンの分類に入るだろう。
「離して下さい。俺は何も知りません」
來は礼を睨む。
「…気に食わないね」
不良のくせに優しい喋り方。
(面白い奴だな)
來はいきなり吹き飛ばされる。
「!?…痛(油断した…ッ)」
壁に当たり、噎せる。
「好きにやっちゃって」
礼の言葉が合図だったかのように、部下であろう不良達が一斉に襲い掛かって来る。
「はぁ、折角穏やかに執行しようと思ったのにさ」
舌打ちすると、殴り飛ばす。
思った以上に力を込めてしまったようで、1メートル以上吹っ飛ぶ。
「へぇ、意外と強いんだね」
礼は驚く。
「喧嘩吹っ掛けて来たのはアンタらだろ?来いよ」
來はブレザーを脱ぎ、挑発する。
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