バトゥー来校

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 そんなバトゥー・イッピケが1年半ぶりに、唐突にギフリカッテングに戻ってきたのだ。久々に登校する彼の容姿や雰囲気に変わった様子はない。眠そうな目とぱっとしない顔と猫背はそのままだし、相変わらず寝ぐせを直さない髪の毛が汚らしい。  ツルッセらは彼を見て陰口を叩いてはいたが、目立ったいじめはしなかった。またバトゥーが登校拒否するようなことになれば、当然彼らが担任教師のガッシヤから問題視されることを分かっていたからだ。  ところで、バトゥーと同じ学級に、サザッテ・ウッキンデッケという女子生徒がいる。美しくかつ壮麗、機敏でさばさばとした性格で成績優秀、女子の同級生や下級生から人気がある。この中等ギフリカッテングの、機能性に富んではいるが地味で無骨でいかにも軍隊風な制服もサザッテが着ると、それが颯爽としてしまうほどである。そんな美しい彼女は、久々に登校してきたバトゥー・イッピケの名前と顔をすぐに思い出す事の出来た生徒の一人である。だが決してバトゥーと仲が良かったわけではない。むしろ相手にもしていなかった。そんな彼女がなぜバトゥーを覚えていたかというと、こんな事件があったからである。
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