差しのべられたのは

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どれぐらい気を失っていたのだろうか。気がついたときにはそこはどこかの建物だった。 天井、壁は白く塗りつぶされており、壁にはランプが掛けられていた。窓は見あたらないが暗くはない。ランプの光で十分に部屋は光で満ちあふれていた。 「ここはどこだ?」 答えてくれる相手はおらず、むなしく独り言となる。 「じっとしていてもしかたないか」 私はご丁寧に寝かされていたベッドから降りて、壁に耳を澄ませた。音は聞こえない。次に指で軽くたたいた。音は帰ってこない。まるで吸収されているようだった。 「ちっ、がっちりした建物だな」 残るは入り口のドアだが、いかにも頑丈そうで何も無しに突破することは難しそうだ。 もちろん、愛刀はもちろん、身体のあちらこちらにしこんであった針や手裏剣は根こそぎ奪われてない。 「八方ふさがりか」 私は再びベッドにごろ寝した。
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