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“ママ”
から
“お母さん”
最近は
呼ばれるたびに
いつも
返事が遅れる…
食べなかった朝食も
スイッチの場所さえ
知らなかった
アイロンも
いまでは
毎日毎日
彼女の日課…
なんとなく
さびしいやら
うれしい…
ん…
うれしいは
ないな…
“いってきま~す!”
聞き慣れない
足音が
わが家のドアから
遠ざかって
いく…
“まったく
いくつになっても
手がかかる…”
そんな
あったかい
思い出も
一緒に
遠ざかって
いく…
お願い
それだけは
もって行かないで!
離れていく
糸を
たぐりよせては
やめる…
さびしくても
笑顔で
見送らなきゃ
ね…
それが
親
だもん…
まだ肌寒い
よく晴れた朝
ベランダで
洗濯物を干しながら
元気に
バス停まで走っていく
彼女の後ろ姿に
笑いながら
手を振った…
ガンバれ
と
言って…
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