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チェックアウトの時間までに、あたしは彼に2回抱かれた。
何度も、「好き」と言った。
彼は照れたように薄く笑うだけだったけど、その表情がまた、
¨好き¨を増やす。
伝わって。届いて。
あたしの¨好き¨って気持ち。
あなたがあたしをどれだけ幸せにしてくれているか
気付いて――…。
何度も何度も、あたしは「好き」を並べた。
まるでその2文字しか知らないみたいに
何度も何度も。
ずっと自分の心の中だけに留めていた彼への想いは、
もう止まらなかった。
けれど、その魔法は「バイバイ」の言葉とともにとけてしまう。
彼がそばにいるその時だけは、夢中で好きだと思えるのに…。
一人になるとまた、感情と理性の狭間で揺れる。
結局は、抱き続けた理想を捨て切れないあたしがいた。
そう簡単に、人は変われない。
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