不安(続き)

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てゆーか… 今日まだ一回もチューされてない。 バイクの信号待ちも普通にしゃべってただけだし。 ラブホのベッドに2人で寝転がっていながら、彼がまるで手を出して来ないことにあたしは憤りを感じた。 なんか…ヤダ。 あたしばっかり好きで悔しいじゃん。 意味不明なムカつきをどうにか彼に気付いてほしくて、あたしは無言でソファに移動する。 彼はこちらに視線さえ向けずに、相変わらずテレビを見ていた。 ちょっとは気にしてよ! ソファの上で体育座りをして、つまんなさそうにテレビを見つめる。 彼にかまってほしくて、スネていたあたしはまるで子供。 我ながらかわいくない(笑) 今思えば、彼のこういう¨思い通りにならないところ¨に1番魅力を感じてたんだろうな。 それまで好きになった男には無かった特徴。 経験したことがないから、扱い方が分からない。 どうすれば振り向いてくれるんだろうなんて考えたりして。 なかなか振り向いてくれないとこが好きなくせに。 この時のあたしは、まだそのことを知らない。 だから、必死。
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