964人が本棚に入れています
本棚に追加
でも国分くんを通じて彼のことを少し聞くくらいなら、いいよね?
元気にしてるかとか
仕事は頑張ってるかとか
…彼女は、できたかとか。
それだけで、充分だ。
ただ知りたいだけ。
たとえそれを知る¨だけ¨だとしても、悲しくなったりなんて、しない。
けれど、¨国分くんを通じて¨なんてことをする必要は無かった。
あたしは、この後、本当の偶然を知る。
それは本当に、普通ならありえない偶然で。
こういうのを『運命』っていうんじゃないかって、思ってしまったくらいで。
あたしは神様に『もう一度彼と向き合いなさい』って
そう言われてる気がした。
あたし達はやっぱり、再び巡り会う運命だったのかもしれない。
―――なんて、
今思えば
あれは『運命』なんかじゃなくて
『運命の悪戯』
ってやつなんだけれど。
最初のコメントを投稿しよう!