不安(続き)

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うう…。 なんか空しくなってきた。 いまさら戻れないあたしは、悶々としたまま膝を抱えていた。 こっちおいでって言ってほしいなぁ。 「にっしぃ~…」 耐え切れず、情けない声を漏らすあたし。 「んー?」 「にっしーが遠いよ~」 「(笑) つーかなんでそんなとこにいんの」 「だって…」 「こっちおいで結衣」 「うん!!」 あたしは満面の笑みでソファから飛び下り、ベッドに駆け寄る。 飼い主に呼ばれた犬みたいに。 あーよかった。 もうくだらないスネ方するのやめよう。 今までの男と違って、この人はそういうの通用しないって分かったから。 .
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