†ＡＬＬＵＲＥⅡ†

揺れる

「あ、ねぇこの映画おもしろそうじゃない？」

コマーシャルが流れているテレビ画面を指差して言った。

「あ～人気らしいなぁ」

いつもと同じ調子のシンの返事に、ほっとする。

少し不穏な空気になる度に、妙な気を使うことにも疲れていた。

またか、めんどくさ…。

そう思ってしまうことも、少なくはなかった。

「今度行こうよ～」

会話が立て直されかけた、

その時。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

部屋に響く、あたしの携帯のメール受信音。

あ…このメール多分……。

着信音を変えてるわけじゃない。

いつもこの時間ってわけでもない。

でも結構この予感は当たるんだよね。

きっと¨彼¨からだって。

『今日○○にいたやろ？😃
髪切ったんやな～
似合ってるやん⤴』

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