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やっぱりいたんだ…。
店内はほの暗かったし、勇気が出なかったあたしはまじまじとあの団体を見ることが出来なかった。
彼を見つけられなかっただけだった。
あの人は、あの場にいたんだ。
ドクドクと心臓が脈打つ。
驚きと嬉しさで、胸が跳ね上がりそうになる。
星の数ほどある中で、同じ店を選んで、同じ日の、同じ時間に一緒にいたなんて。
この確率は、一体どんな天文学的な数字になるんだろう。
そしてこれだけの偶然の上に成り立ちながら、巡り会えてはいないあたし達。
まるで、2人の運命を象徴しているみたい。
巡り会えはしないのに、後からこうして、悪戯をする神様…。
会いたいよ。
会いたくて会いたくて
好きで好きでたまらない。
ねぇ神様。
この悪戯を少しだけ
利用してもいい……?
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