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「誰から~?」
シンの声にハッとして、電源ボタンを連打した。
パタンと携帯を閉じて、乱暴に放り投げてから言った。
「美帆。
明日何限から出るかってさ」
「ふーん」
冷や汗…というにはあまりにも熱く感じる汗が、全身から噴き出る感覚がする。
今、自分は何を思ったんだ。
どうして無意識に、返事を送ろうとしたんだ。
自分が怖い。
時が経つとともに薄れつつある罪悪感。
弱まることを知らない、彼への想い。
少しくらいなら。
メールのやり取りくらいなら。
バレなければ、誰も傷つかないよね……?
ゆっくりと携帯に手を伸ばしながら思う。
無意識でなくても、結局あたしは同じことをするのだと。
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