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「つーか俺太ったっしょ?(笑)」
「あー言われてみればそうかも!(笑)どしたの?」
「食生活ヤバイからね~」
8か月ぶりとは思えない、あんな終わり方をしたとは思えない再会だった。
彼は以前と変わらない様子で、会社の話や、最近見た映画の話をした。
あたしも、そんな彼の態度にホッとしつつ、以前と同じように笑い合った。
ただ違ったのは、あたしはもう、あの頃のように迷ってはいないということ。
シンと付き合い続けるのか、彼を好きだという想いを貫くのか。
揺れ動くあの気持ちは、今のあたしにはもう無い。
結論は、しっかりと出た。
シンを失いたくないという、あたしの素直な気持ち。
それは揺らぐことのない、やっと導き出した答えだった。
そしてそれをよく分かった上で、あたしは今ここにいる。
この状況が一体どういうことなのか、もちろんよく分かっている。
それでも止められなかった。
8か月間封じ込めたあたしの感情は、もう限界だった。
彼に会いたい。
それもまた、揺るぎないあたしの素直な気持ちだったんだ。
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