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「TSU○YA行っていー?」
歩きながら彼が言った。
あたしはいつも半歩くらい彼の後ろをついて歩いて、
¨なんとか手が繋げないか¨とか¨腕を組めないか¨とか、そんなことばっかり考えていたから、一瞬聞き逃してしまう。
「え?ごめん、なに?」
「TSU○YA入るよ?最近映画ばっか見てんのよ」
¨ああ、映画か¨と思いながら、少しだけ¨今じゃなくても…¨とも思った。
時間が限られてる久々のデートなのにって思ってしまうあたしは、改めて彼に会うことを楽しみにしていたんだと実感する。
そう思ってる分、なんだか彼が対照的な気がして、少し寂しくなったんだ。
けれど、彼が言い出したことにはちゃんと意味があったんだと、あたしは後になって知る。
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