【月と黒猫】 

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【月と黒猫】 

金色の目をした黒猫      淋しくとも 淋しいと 言わずに  爪を立てて ツンとすまして 月を見上げてる   月を瞳に映した黒猫  愛さないのは 欲しくないからじゃない  全て捧げてから捨てられるのが恐いから     大人になって 簡単に泣けなくなって  大人だから 簡単に怒れなくなってく・・・   そんな大人になりきれずに  欠けてく月灯りに 自分を重ねて 毎晩 眺めてた  毎晩 そうやって 過ごしてた 【月と黒猫】  牙を剥いて 爪を立てて 威嚇するのは 傷つけたいからじゃなくて     傷つけられたくないから      傷つきたくないから 戦いたくないから    きっと 悲しくなるから ずっと 一人を願ってた 独りだと思ってた 黒猫    月は 黙って照らしてた  黒猫が 1人で泣いてた日も 強がって 淋しくなった日も そっと 足元を照らしてた   居場所を無くさない様に    迷わない様に  闇で自分を見失わないように・・・  金色の綺麗な瞳の中  ただ一つ  薄く照らした 灯り  月の明かり ずっと 側にあった  ずっと 気付けなかった そっと 照らしてた  そっと 優しかった夜   【月と黒猫】 
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