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一円も払うことなく焼きそばとジュースをお腹に詰め込んだ私と花梨は、笑顔で
「邪魔してごめんね。私たち帰るから、頑張って焼きそば焼いててね」
そう言って、お兄ちゃんに手を振った。
嬉しそうに笑うお兄ちゃんの背後には、4~5人のクラスメイトらしき男の人たちがいて、ドアが閉まると同時に、「うげっ!」というお兄ちゃんのうめき声が聞こえてきた気がした。
「さぁて。大っぴらにサボってくれた分、これから終わるで働いてもらうからなっ」
そんな低~い声とともに。
……うん。
まあ。
これで邪魔者はいなくなったてコトで。
「いこっか!」
花梨とそう言って向かった先は、もちろん玄関ではなく、キャアキャアとした歓声が飛び交ってる方向。
どうか。
もう一度。
あの人に、会えますように。
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