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バタンと車のドアを閉めて深呼吸。
何か緊張する。
あ、でも、ダメダメ。
まず買い物を楽しまなきゃ。
せっかくセールに来たんだから納得のいくモノを買いたいし、
バートンで可愛いヤツあるかな…、
いや、クールに決めようか、いや、そもそもレディースってあるんだっけ?
まず、今回買うのはカッコイイ系にしよう、その方が上手そうに見えるって。
なんてグルグル色々考えてたらユミがじっとあたしを見て、
「どうしたの?お財布でも忘れた?お金なら貸すからね」
ニッコリ笑った。
「ち、違っ違うよ…、大丈夫」
慌てるあたしをニコニコ見た後、体育館を指差して言った。
「カンナ、行こう…、良いのは売り切れちゃうかも」
あたし達は走るようにして体育館に入って行った。
「いらっしゃいませ、ごゆっくりどうぞ」
スポーツ用品店のロゴがくっきり目立つ蛍光色のジャンバーを着たお兄さんが微笑む。
広い体育館に、ウェアやブーツや板が所狭しと並んでいて、カラフルな光景に胸が踊った。
すぐ手前のウェアの値札を見ると、50%OFFの赤いシールが見えて、その隣は70%OFFのシール。
な、70%~?良いの~?
「今日と明日のみで、又通常価格に戻ります」
いやいや、良いんだよ。今日、今日買うからっ。
「ね、ね~ユミ?あたし、あっちの端から攻めてみる」
「わかった、じゃ後でね」
あたしは1番奥のコーナーまで突き進んだ。
客は疎ら。
この中のどこかに……。
ううん、とりあえずは探そうよ、探すんだカンナ、バートンを。
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