予知するモノ

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ノルディック柄のニットパーカーを着て、グロスをたっぷりのせた。 鏡を覗いて髪型をどうしようか迷ったけど、このままで良いやとただ櫛でとく。 肩に届かない位の黒髪。ただのストレート。 職場が厳しくて染めたり出来ないし…、まぁ、シンプル イズ ベストって言うじゃない? 化粧もしてるかしてないかわかんない。アイブロウとグロスで終わり。 顔がお子さまチックだから、あまりイジルと可笑しくなっちゃうし…微妙、良いんだけどね、別に。仕方ないの。 「さ~てと」 入場券と車の鍵を握り締め、高鳴る胸をおさえながら家を出た。 ユミの家までは鼻歌混じりの運転。 ユミを助手席に乗せた後は真剣。 「こっちの車線ついて…、ふたつ目の信号を右……」 ユミのナビゲーションを聞き漏らさないように集中してた。 目の前に見覚えのある大きな体育館が現れた時は嬉しくて、「やった」と心で小さなガッツポーズをしちゃったよ。
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